旭潜水技研

リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・

今年もいよいよ残りわずかとなりましたね・・・。

先月ですが、11月14日に沖縄科学技術大学院大学、通称OISTの職員ダイバーが、rEVOというヨーロッパ製のリブリーザーでトライミックスを使用して大学の調査研究中のダイビングで行方不明になってしまいました・・・。

リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・


まだ沖縄県内でrEVOとトライミックスの講習を受けたばかりで日も浅かったとか・・・。

当方ではOISTからの依頼を受け、事故直後から昨日まで、捜索の一端を担ってROVでの捜索調査を複数回行ってきましたが、残念ながら見つけてあげる事が出来ず、ご家族の承諾もあり、この件の捜索は一旦ラインを入れることになりました・・・。

本当は私や他のダイバー達が直接海域に潜って、人海戦術で探したほうがこういう時は結果を出しやすい傾向があるのですが、やはり組織としては二次災害や三時災害などを懸念して、徹底的に機械での捜索に限られました・・・。

しかしあの海域は元々本当に流れが強くて有名なところだったのにも拘らず、更にあの日は「スーパームーン」だと世間が騒いでいた大潮中の大潮の特別な日だったのですから・・・。

特にROVを海に入れて画面を通して分かりましたが、更にあの海域は上と下とで流れが逆になる二枚潮だったり、突然流れが止まったかと思うと急に逆に流れ出したり、潮止まりが極端に短かったりだとか、周囲の海底地形と島々との間の水路などで本当に難しい海域です・・・。

よくこんな海域にましてやあんな扱いづらいリブリーザーなんかで潜ったものだと正直ぞっとしました・・・。

リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・


捜索に当たっていた海上保安本部の方からも、リブリーザーの構造自体やデータ解析などの相談も当方で受けましたが、本来なら沖縄県内の那覇市内に住んでいるというのですから、先日rEVOの講習を施してその器材を販売したそのイントラが真っ先に駆けつけて、捜索協力に申し出るのが取り扱いを教えた側の責任や筋道だといえます。

また法的にも器材を販売した販売責任などが問われるのではないかとかと思いますが、そこは案の定というか・・・、かかわりを一切消すかのようにご丁寧に証拠となるブログを一切削除してまで、沈黙を保ちながら逃げて回っているとの事・・・。
今は一切静かに身を潜めていて、ほとぼりが冷めた頃また動き出そうとしているのでしょう・・・。
最低です・・・。

私もリブリーザーを使いますが、この一件が決め手となってしまい、お陰でどこの乗り合いボートでも、もうリブリーザーを持ち込むダイバーは危険で無責任だからもう船には乗せないと、あちこちのボート側で拒否されるようになってしまいました・・・。

確かに単純な機械的な一般器材とは違い、電気やら化学薬品やら電気的なセンサーなどをふんだんに使わないと使えない機械ユニットがリブリーザーですから、器材の故障やトラブルはよくあることですし実際死人もたくさん出ています。

リブリーザーダイビングの事故で思うこと・・・


高圧則の改正に伴って、40m以深の作業潜水では実際のところ決められた窒素分を上回らないようにと混合ガスを使用しなければならない傾向になってしまい、それを逆手に便乗してリブリーザーだと経済的且つ合理的に解決できると誤解している人も多いようです。

はっきり言って、水深の深さだけを合理的に考えるための作業潜水なら、リブリーザーなんかは全く適していないし不向きだといわざるを得ません。

だって、潮の抵抗が大きいあんなユニットを担いで、体はフワフワ安定しないし、ピコピコ警告シグナルばっかりだし、ちっとも本来やるべき仕事に集中できない・・・。
そしてそんなリブリーザーがトラぶったときの最後の最後の手段が、結局最後は機械的な一般のオープンサーキットに頼よって浮上しなさいですから、完成度の中途半端さと押し付けられたご都合をどうしても感じざるを得ません・・・。

なので私の結論から言うと、今の段階ではまだリブリーザーという器材は社会責任が伴う業務では完全に不向きで、あくまでも人と違った差別化を考えたい完全なレジャーダイバーがサバイバルゲームの様な感覚で楽しむ程度の限定されたダイビングで使ってみるという極めて狭い領域のものだと言えます・・・。





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