今更ですが、ダイビングマスク・・・特に購入後の新品時の油膜落しの技なんかは、インストラクター、ガイドさん、ショップ店員さんなど、皆さんそれぞれの独自のやり方なんかを持っているかと思います・・・。
結果的にどんなやり方であろうと、油膜がしっかり取れて前がしっかり見える曇りにくいマスクに仕上がればいい事なんですが、私は、一ダイバーとして個人的にダイビング中、自分の装着するマスクレンズが1点でも曇っていると、そいつが目の前で永遠と視界の邪魔をしてるので、気になって気になって、もうそのダイビングは全てが台無しと同じになってしまいます・・・。
そんなこんなで、毎ダイブ常にクリアーな視界をキープし続けたくて、新品時だけではなく、かなり定期的にレンズは磨く努力なんかをしてます・・・。
皆さん既に、マスクが曇る原因は簡単に言うと「油膜」がほぼ原因となることはご存知かと思います。
ただし、その "油膜" という言葉を、単に製造時に付着してしまう "シリコンオイル" だけが原因だと勘違いしている方は結構いるかもしれませんね・・・。
"油膜" と言うのですから、油類を総称してそう呼んでいるだけで、シリコンオイルはその中の原因の単に一つに過ぎません。
ただ、素材から工場で製造されて、新品として出荷されてくるわけですから、ここで取り付いてくる油膜は確かにシリコン系オイルに違いありません・・・。
そこで、今回は私が新品時であろうと、その後の定期的であろうと、誰でも簡単に出来るマスクの油膜取りケアをちょっとご紹介してみましょう・・・。
まず目的は、"油" を落としたいのですから、マスクを触る前に確実に洗剤などで手や指をしっかり洗って、まずは自分の手から油を落としておくことが大事です。
ウチはオーバーホールを日常行っていますので、私の指にはシリコングリスが付いていることが多いのです。
もちろん常にキムワイプなどで拭き取って洗剤で洗い流してはいるのですが、シリコンという素材は超微粒子なので、指紋やシワの奥に入り込んでいて何度洗ってもそう簡単には完全除去が出来ません・・・。
従って、マスクを洗うときは、OH作業がないときか、作業前の朝一などに行うよう気をつけているくらいです。
次に、マスクレンズの内側にチョンチョンと歯磨き粉の「ライオンwhite&white」をつけます。
色々な種類の歯磨き粉も試してみましたが、このオーソドックスな定番歯磨き粉が、微粒子研磨剤の大きさと量が一番安定しているように感じます。
そして、軽く水(ぬるま湯なら尚OK)を付けて泡立てながら、指の腹でゴシゴシレンズの内側を擦って磨くのですが、これは以前の話で、今は指ではなく "メラミンスポンジ" で擦って洗っています。
メラミンスポンジは、100円ショップでならどこにでも売っている、キッチン周りの汚れ落しなんかで使われる白いスポンジです。
このスポンジ自体が微粒子研磨剤なので、自己消耗しながら汚れを削り落としていくスポンジです。
既に形にきってあるキュービックタイプというのもありますが、切られていないものなら、これをレンズの内側に入る程度の大きさにハサミで切って、歯磨き粉の泡でキュッキュキュと満遍なく洗うのです。
レンズの外側は必要ありません。
そして特に力を入れる必要もありません。
皿洗い感覚程度でいいかと思います。
ここで、もう一つ肝心な注意点は、レンズの内側だけでなく、顔に当たる "シリコンスカート" 部分の内側も、歯磨き粉とメラミンスポンジでしっかり擦って、ここの油膜も確実に落としておく必要があります。
最初の時は、シリコン素材がツルツルッとした光沢のある滑らかな感触がありますが、結局これがオイル成分なのですが、歯磨き粉とスポンジで軽く擦っていくと、つや消しのように光沢がなくなってきます。
指で触ってみると、皿洗いして洗剤を完全に綺麗に洗い流した後のお皿を触るようなキュキュッとした感触になります。
この流れを、もう1度繰り返した計2回くらいやれば完了。
タオルでは拭かず、あとは自然乾燥でOKです。
タオルには柔軟剤とかが付いている場合がありますから・・・。
シリコンスカートも洗う理由は二つあります。
このスカート部分に付いているオイルを取り除いておかないと、ダイビング前曇り止めをしようと、必ずこの部分を手で触ってしまうので、またオイルが付いてしまった指で、レンズの内側を曇り止め剤と一緒に塗りこんでしまったりするので、効果が薄くなります。
また、顔に装着した時、シリコンオイルの皮膜(あのツルツルッとした奴)が、顔とマスクをしっかりと密着させず、間で浮いて邪魔をするので、マスクの位置が顔の上でよく動いてしまいます。
すると水が入りやすくなって、しょっちゅうマスククリアをする羽目になって、結局レンズの内側に曇りを発生させてしまうようになるからです・・・。
実は、私は未だに "唾派" なんです・・・。
もちろん色んな曇り止め剤を今まで試してきましたが、やはり完璧な視界が確保できるのは、今のところ自分の唾が一番だということが分ったからです・・・。
特にジェルタイプなどは持続効果が高いのですが、その分レンズに張り付いてる時間を確保するために、若干の厚みが必要になり、この厚みが一つのレンズ効果となって視界が歪んだり水中世界が正しく目に映らないため、ひどい場合は気持ち悪くなったりもしてしまいます・・・。
ただ、唾派の方に気を付けてもらいたいのは、特に昼食後のダイビングなどでは、昼食に脂っこいものを食べてすぐだと、レンズに油を塗っているかのようになって曇りやすくなります・・・。
また、全体的に言えるのですが、ダイビング後、当然全ての器材を洗い桶なんかでまとめて洗うのですが、この洗い桶の水の中にはシリコンオイル系が沢山混じっています。
レギュレターからのシリコンオイルが確実に滲み出しますし、カメラハウジングのOリングに塗ったシリコングリスも混じっているでしょう。
結構、ダイビング器材には塩噛み防止や腐食防止などの為に、オイル系やグリス系を実はあちこちに使われていますから。
更に、特に日焼けを気にする女性なんかが顔に塗った日焼け止めのオイルもマスクにしっかりとこびり付いたまま、洗い桶でザブザフと・・・。
それと同じ洗い桶の水で他の人もマスクをザバザバッと洗ってそのままなんですから、徐々にレンズにもまた油膜が蓄積して張ってくるのは当然なんです・・・。
なので、ストレスの少ないダイビングと、素敵な水中での視界を確保したいのでしたら、1回こっきりではなく、やはり定期的に上記の洗い、油膜落しのステップが必要なんです!
試してみてください!
旭潜水技研
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