PSP-1000 分解修理奮闘記 Part3

TAKE-san

2011年05月19日 20:10

以前からお付き合いのある地元のダイバーで、いつも当ブログを読んで頂いているというHさんとAさんが昨日お店に遊びに来てくれました・・・。

たわいもない話の中で、「そー言えばゲーム機のPSPはどうなっちゃったの?」と、尻切れトンボになっていた続きを突っ込まれ、そー言えばと、慌てて続きの締めを書いています・・・。

結果から言うと、悩んで奮闘した結果、修理は完璧に完了させました!

自分でも言うのもなんですがパーフェクトです!

結局、何が問題だったかと言うと、新品にもかかわらず(中国製)、コンプリートされたアナログスティックのネジ取り付け穴のある土台が、最初から微妙に歪んでいることで、そのまま強引に本体に取り付けると、導電ゴムがきちんと相手側と接点しないため、電気が正常に通電しないことによるアナログスティックの不調だったということが分りました。

そこで、元々付いていたネジ取り付け穴のある土台と、購入した新品の土台だけを交換すれば、ちゃんとネジが取り付けられるだろうと、新たに作業を試みたのです・・・。

覆いかぶさるようにはめ込まれている金属の板の通電パーツを、精密ドライバーでちょっと浮かせてやればパチンとまずは簡単に外せました。

さてここからが問題です・・・。

中がどのようなパーツで、どのように組み立てられているのかなどのマニュアルも分解図なども無いため、もし外した途端一気にバラバラにしてしまったら、今度は組み立てるのが至難の業になりそうないやーな予感がしていたので、兎に角中の部品がばらばらにならず、出来ればそのままの状態で、BOX状の下側、つまりネジの取り付け穴の土台部分だけを、素早くサッと交換してすんなり元に戻したかったのでした・・・。

慎重に慎重に・・・、よいしょっ!パカっ!開いた!

ビヨーン・・・! パラパラパラ・・・。

あっけなく撃沈・・・。



いやーな予感は的中してしまい、中の構造を確認する間も無く、何だか細かい部品ばかりが一気に崩れ落ちてきました・・・。

おいおいおいマジかよ・・・。

これ、どういう風に入ってたの・・・?

最初はもうこの時点で一気に嫌気がさして、このままゴミ箱にブン投げようと思いました・・・。

いやいや、でも子供たちが・・・。

いや、もういいや!面倒くせー!こうなったら今からヤマダ電機に行って新品の3000でも買ってきちゃおうかなー!そうそう別に大人なんだし、お金が無いわけじゃないんだから・・・!

最初からそうしてれば無駄な時間を・・・。

いや、でも "直した" ということに価値と意味があるんじゃないかな・・・。

子供達はとうちゃんが、最新で新品のPSP-3000を持って帰ってくるのと、悪戦苦闘しながらも自分で修理した以前のPSP-1000を持って帰ってくるのとでは、どちらが喜ぶだろうか・・・。

当然最新で新品の方に決まってるよなー・・・!

今の子供達だし・・・!

しかし、単に新しいおもちゃを買い与える2次元的な教育でいいのだろうか?たかがおもちゃだろうけど、そこには奥行きとメッセージ感のある3次元的な意味を盛り込ませた教育も必要なんじゃないだろうか・・・?

と、たかがゲーム機一つの扱いをひたすら考えていた暇な親父でした・・・。

結局、自分の意地も加味され、直す方向に動き直しました・・・。

ありがたい事に、インターネットで何とかその先の組み立て方をUPしていた方のブログを見つけられ、その写真と解説通り、真似しながらなんとか細かい部品の組み合わせが理解でき、ほとんどが完了間近です・・・。

ところがその先に最後の難関が待っていたのです・・・。

スティック自体を動かす原理はとてもシンプルで、BOXの中で、スティックの根元部分にスプリングを輪っか状に一周回してあり、スティックをどの方向に動かしても、円周に巻いてあるスプリングの戻る力で、スティックがセンターに戻るようになっているのです。

しかし、このスプリングを輪っか状にしたままBOXを閉じるのが至難の業・・・。

スプリングを大きな円として広げるように伸ばした状態でBOXを閉めなければ干渉して物理的に閉まらないのです・・・。

何度やっても無理・・・!

しかし、そこは元々技術屋です。

よくよく考えてみれば、メーカーが新品のPSPを製造組み立てて出荷してくる際、1個の部品の組み立てにこんなに手間と時間を掛けて生産してくるわけがない。

メーカーメーカによって違うダイビング器材と同じく、何かコツと言うか、専用の特殊工具かなんかがあるはずだ!

という事に気が付き、しばらく部品をじーっと眺めてみた・・・。

するとBOXの上下部分に貫通している小さな穴が4つあいているのが目に留まった!

この穴は何の為に・・・?

物事には全て意味があるはずですから、この穴の意味は?

なーるほど!

この4つ穴が答えそのものでした!

きっと組み立ての際、専用に作ってある4本のピンが出ている特殊工具か何かをこの穴に予め差し込んでおいて、その差し込んだピンの外側に広げたスプリングを一旦通しておき、そのまま組み立てた後上側のBOXを閉じてから、最後にそのピンを下から引き抜けば、スプリングはBOXの中で縮む事になる・・・。

悪戦苦闘してから1時間。

やっと光が見えてきました!

しかしそんな特殊工具は売っていないみたいだし、もしあったとしてもまたこのままの状態で更に数日間待たなければならない・・・。

だったら無ければ作ればいい! というのが技術者の基本です!

という事で、身の回りのものを使って思いついた簡易的なアイデアは、笑っちゃうくらい単純シンプルで即興的なものです!



その辺に転がっていた文具用のクリップを短く4本に切って、穴の間隔にあわせて1本1本を消しゴムに差し込んで立ててみました!

朝のNHKの子供番組 "わくわくさん" もびっくり!のような簡易工作の出来上がり!



よくやった、俺!

この時ほど、本当に自分で自分の事を褒めてやりたい気分でいっぱいでした・・・!

そしてこれをBOXに差し込んで、何とわずか1分で組み立て完了!

あんなに悪戦苦闘していた数時間は一体何だったのだろうか・・・。

最後に、カバーや全てを元に戻して完成です!

いやー長かったけど、充実感と達成感でいっぱいです!

ヤマダ電機に走らなくてよかったー!



スイッチを入れて試してみましたが、今度こそはバッチリ元通りに直りました!

さて意気揚々、家に帰って子供達に "ジャーン" 直ったぞー!とPSPを差し出すと、チラッと一瞬こっちを見ただけで、"お帰り" そして付け加えるようにそっけなく "ありがと" ・・・、だって・・・。

どうやら新しいDSのソフトを買ったらしく、今はPSPどころではないそうです・・・・。 (完)




旭潜水技研
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