旭潜水技研

AGAフルフェイスマスクのオーバーホール

民間、官庁問わず、定期的にAGAのフルフェイスマスクのOHは送られてきます・・・。

AGAフルフェイスマスクのオーバーホール

フルフェイスマスクのOHと言っても、結局は専用で取り付けられている2ndステージをメインにメンテナンスするわけですが、このAGAの2ndステージは一般的な2ndステージとは仕組みが根本的に違い、フルフェイスマスクと言う空間の内容積を初めから考慮した設計での吸排気仕様になっているので、通常のセッティングとはまた別世界になります。

私が知っている限りでヘルメット潜水器以外で、フルフェイスマスクでこの陽圧システムでの2ndを使っているところはあまり知りません・・・。

この世界と技術をまだ知らない頃に、たまたま潜水作業で別業者が使用していたAGAのフルフェイスを作業で使わせてもらった時、ポジティブだのネガティブだの知らない頃でしたので、初めは壊れているのかとびっくりしましたが、直ぐに "あー、なるほどこういう仕組みなんだ" と直ぐに理解できました。
世界中のプロダイバーにAGAが好んで使われる理由がその時よく分かりました・・・。

ただ使用する側になってみて考えるとデメリットとしては、"浮く"・・・。

素材全体を軽くして内容積がある分、兎に角そのままでの使用では顔が首からもぎ取れるかと思うほど浮きます・・・。

なのでオプションでマスク側面に取り付けるバランスウエイトなども販売されているほどですが、だったら初めから少し金属材料をデザイン的に使って比重を重くしたら水中ではバランスが取れてちょうどいい使いやすさになると思うのですが、そうはしなかったんですよね・・・。

当社で作っている送気式の旭面はどちらかと言うと金属材料と金属部品を多く使っているので、陸上ではちょっと重さを感じるかもしれませんが、これがまた水中ではちょうどいいバランスになって全くストレスを感じなくなるのです・・・。

AGAフルフェイスマスクのオーバーホール

本来ならずっとマスク内にコンプレッサーから送気されているのですからそこそこ内圧と浮力が付くはずなのですが、それをダイバーの一回の呼吸量とマスク内の内容積に溜まる空気量と圧力と逃がし分を考えての浮力バランス・・・絶妙です。

その他のメーカーさんのフルフェイスマスクでもポジティブタイプはまずありませんよね・・・。

仕組みは一般的な通常の2ndステージがマスク自体に取り付けられていて、吸いこんだ時に吸気され排気している間は止まっているいわゆるデマンド式が殆どです。

陽圧式にするのは確かにフローと吸気抵抗のバランスを考慮しなければならないので確かに技術的にはちょっと難しく時間はかかるのですが、そんな実績を見込んで頂き今回もまた一度に沢山のAGAマスクが送られてきていますので早速コツコツと作業・・・始めてみたいと思います!




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