旭潜水技研

まずは専用工具から作る・・・

「作業あるある」なのですが、BC・・・というよりも皆さん一般的にインフレーターの作動の方を主に気にしてOHに出すんじゃないでしょうか?

まずは専用工具から作る・・・

その際にインフレーターのみをBCからご自身で取り外して送る・・・もしくは持ち込む・・・という方は非常に少ない方で、通常でしたら丸々BCごと持っていくか、送っちゃうのではないでしょうか?

こちらでもそれはわかっているので、インフレーターをOHする際は、肩口から蛇腹ホースごと、そしてOPVやダンプバルブをこちらでさっさとBCから取り外して作業に取り掛かります。

しかし、それらの作業が完了して最終チェックをする際には、取り外したそれらをBCに取り付け戻して、BCにエアーを通しパンパンに膨らませて各部の漏れやリークなどを最終チェックするわけです・・・。

まずは専用工具から作る・・・

その時改めてBCのどこからかエアー漏れしている事を発見したりもするのです・・・。

それが、作業したOH済みのインフレーターやバルブ類なら当然再びバラしたりチェックし直すのですが、そこでお客さん自身さえ気が付いてなかったようなBC自体の縫い目や生地自体からの少量のエアー漏れやリークを発見する事があります・・・。

中には今回のように生地の「折り目」「しわ」の部分が弱くなっていて、そこから摩擦で切れて穴が空いたのでしょう・・・。

ポコポコ、エアーがリークしていました・・・。

いつもご利用頂いているショップさんの器材ですから、この程度のパンクなら無償サービスでパッチ修理でもしておいてあげようと、半ば軽い気持ちで追加作業を始めたのですが、普通なら簡単に取り外せる部分が、これがまた塩嚙みのせいか物凄く強く締まっていていつも使っているその他の器材と兼用できる汎用ツールではちょっと外せそうもない雰囲気でした・・・。

これ以上無理に工具を掛けるとBCの部品が舐めてしまうか壊してしまいそうで、それでは無償サービスが本末転倒になってしまうので、結局乗り掛かった舟という事もありNDS用のBC専用の取り外しレンチを作らざるを得なくなりました・・・。

まずは専用工具から作る・・・

そこでいつものCADでサクッと設計・・・。

工業用グレードの樹脂を使い3Dプリンターでささっと作り出してみました!

トータル5時間半くらいで特殊工具がまずは完成!

ここからようやくパーツ類を取り外すことが出来、作業がスタートです・・・。

私くし思えば色々な器材の作業を始め問題が見付かってスタックする度に毎度毎度と常に各メーカー、各機種の専用工具を沢山作ってきたな~・・・と、しみじみ思うと、さながら専用工具のコレクションを集めている気分でした・・・。

まずは専用工具から作る・・・

そのような専用工具を "治具" などと言いますが、以前までは全て金属加工で作っていました。

旋盤やレーザー加工、場合によってはマシニングセンターなどでソリッドの金属から削り出したり加工したりして専用工具の治具を作っていましたが、工場にお願いするときはどうしても詳細な図面を引かないとやってもらえないので手間と限界がありましたが、今は自分で設計を勉強して覚えたのでその工程を自社内で行えるので利便性が全然変わりました・・・。

また特に最近のダイビング器材のような製品の場合、部分部分のパーツなど圧倒的に樹脂素材を使用する部分が多くなってきたので、それにあてがう工具や治具も、どちらかと言うと取り外すパーツより硬い金属治具より、パーツと同じ材質か近い樹脂で出来ている治具の方がパーツを痛めにくいですし、万一固くて外れにくくても、パーツを壊してしまうより治具の方が負けて壊れてくれた方がお客さんに負担は掛からないし、設計データがあるので自社内でその場でまたすぐに作り直せるので当方ではその方が合理的かつ利便性の良さを感じています。

何よりも、そんな専用工具、治具さえ作り出していく事自体も楽しいのですから、これからもまた更にどんどん増えていくかと思います・・・!



旭潜水技研
http://asahi-scuba.jp


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